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国際規格

ISO 10816-3: 産業機械の振動限界値

120~15,000 r/min で運転される 15 kW 超の産業機械を現地で振動チェックするための、ISO 10816-3:2009 の実用的な要約です。振動速度および振動変位の実効値による評価ゾーン A~D、2 つの機械グループ、2 つの支持区分、変化の評価基準、警報値と停止値の設定指針を取り上げます。

Balanset-1A のようなポータブル測定器は、軸受箱で広帯域振動速度の実効値を測定します。標準の測定帯域 10 Hz~約 1 kHz は、ここでほとんどの機械に用いる帯域と一致します。Balanset のソフトウェアは ISO 10816-3 のゾーンを自動判定しないため、測定値と下の表との照合はご自身で行ってください。

ポータブルバランサー&振動アナライザー Balanset-1A

振動センサー。

光センサー(レーザータコメーター)

バランセット-4。

マグネットスタンド インサイズ-60kgf

反射テープ。

ダイナミックバランサー "Balanset-1A" OEM

早見表: 振動の厳しさの限界値

ISO 10816-3:2009 附属書 A のゾーン境界値です。グループ 1 は表 A.1、グループ 2 は表 A.2 によります。値はすべて広帯域の実効値で、機械の定常運転中に軸受箱または軸受台で半径方向に測定したものです。

周波数帯域: 10~1000 Hz(600 r/min 未満で運転される機械では 2~1000 Hz)。まず機械グループと支持区分を決めてから、ゾーンを読み取ります。

評価基準 — 振動速度の実効値(mm/s)

産業機械に対する ISO 10816-3 のゾーン境界値

機械グループ ゾーン A / B ゾーン B / C ゾーン C / D
グループ 1 — 剛性支持 300 kW 超(50 MW まで)または H ≥ 315 mm の電気機械、剛性支持 2.3 4.5 7.1
グループ 2 — 剛性支持 ★ 15 kW 超 300 kW 以下または 160 ≤ H < 315 mm の電気機械、剛性支持 1.4 2.8 4.5
グループ 1 — 柔軟支持 300 kW 超(50 MW まで)または H ≥ 315 mm の電気機械、柔軟支持 3.5 7.1 11.0
グループ 2 — 柔軟支持 15 kW 超 300 kW 以下または 160 ≤ H < 315 mm の電気機械、柔軟支持 2.3 4.5 7.1

これらの限界値は、すべての軸受・軸受台・軸受箱での半径方向の測定値に適用され、軸方向の測定値にはスラスト軸受の場合にのみ適用されます。機械は定格回転速度または許容回転速度範囲内で定常運転している必要があり、回転速度や負荷が変化している間の測定値はこれらの限界値では判定しません。特定の機械や特殊な支持については、製造者と顧客が別の値で合意することもできます。

ゾーン A — 新設機の水準

運転を開始したばかりの機械で通常見られる振動レベルです。

ゾーン B — 長期運転

通常、制限なしで長期運転が可能とみなされるレベルです。

ゾーン C — 限定的な運転

通常、長期間の連続運転には不適当と判断されます。一般に、改善処置に適した機会が来るまで、限られた期間は運転を続けることができます。

ゾーン D — 損傷の危険

このレベルの振動は、通常、機械に損傷を与えるほど厳しいとみなされます。

振動変位の実効値(µm)

附属書 A には、振動速度の境界値と並んで振動変位の境界値も示されています。両方を測定した場合は、より厳しい方のゾーンを採用します。

機械グループ ゾーン A / B ゾーン B / C ゾーン C / D
グループ 1 — 剛性支持 29 57 90
グループ 2 — 剛性支持 ★ 22 45 71
グループ 1 — 柔軟支持 45 90 140
グループ 2 — 柔軟支持 37 71 113

振動変位が特に重要になるのは低速機です。回転数成分が支配的な場合、振動速度が中程度に見えても、振動変位は過大になっていることがあります。このような機械では、振動速度と振動変位の両方で評価してください。

ヤード・ポンド法の単位 — 振動速度の実効値(in/s)

ヤード・ポンド法を用いる地域向けの換算値(1 mm/s ≈ 0.03937 in/s)

機械グループ ゾーン A / B ゾーン B / C ゾーン C / D
グループ 1 — 剛性支持 0.091 0.177 0.280
グループ 2 — 剛性支持 ★ 0.055 0.110 0.177
グループ 1 — 柔軟支持 0.138 0.280 0.433
グループ 2 — 柔軟支持 0.091 0.177 0.280

⚡ 振動ゾーン計算ツール

機械グループと支持区分を選んで測定値を入力すると、ISO 10816-3:2009 に基づくゾーン、変化のチェック結果、警報値・停止値の目安が表示されます。

剛性: 最も低い固有振動数が励振振動数の 1.25 倍以上。柔軟: それ以外のすべての場合。

支持区分がわからない場合は、ここで確認できます

ゾーン境界値を図で比較

各ゾーンの幅は値に比例しており、柔軟支持の機械や大形の機械で限界値がどれだけ広がるかがわかります。

グループ 1 — 剛性支持
2.3
4.5
7.1
D
グループ 2 — 剛性支持 ★
1.4
2.8
4.5
D
グループ 1 — 柔軟支持
3.5
7.1
11.0
D
グループ 2 — 柔軟支持
2.3
4.5
7.1
D
ゾーン A ゾーン B ゾーン C ゾーン D

各区間には、その上限値を振動速度の実効値(mm/s)で示しています。目盛りは 15 mm/s までです。

ISO 10816-3 とは?

ISO 10816-3 は、非回転部分で測定した機械振動を評価する ISO 10816 シリーズの第 3 部です。第 1 部が一般的な考え方を示し、第 3 部はそれを、公称回転速度 120~15,000 r/min で 15 kW を超える産業機械を現地で測定する場合の具体的な基準にしています。このページでは、ISO の専門委員会 TC 108 の分科委員会 SC 2 が作成した第 2 版、ISO 10816-3:2009 について説明します。

2009 年版は 1998 年の第 1 版に代わるものです。主な変更点は、ターボポンプに専用の部 ISO 10816-7 ができたことから、ポンプを適用範囲から除外したことです。

振動は 2 つの観点で判定します。振動の大きさ(評価基準 I、ゾーン A~D)と、確立された基準値からの変化の大きさ(評価基準 II)です。附属書 A は、広帯域振動速度と振動変位の実効値によるゾーン境界値を、2 つの機械グループごとに、剛性支持と柔軟支持に分けて示しています。

一般原則: ISO 10816-1

適用範囲と適用条件

表を使う前に適用範囲を確認してください。限界値は、以下に挙げる機械を定常運転条件のもとで現地測定する場合にのみ適用されます。

対象となる機械

定格出力が 15 kW を超え、120~15,000 r/min で運転される次の機械:

  • 50 MW 以下の蒸気タービン
  • 1,500 r/min 未満または 3,600 r/min 超で運転される 50 MW 超の大形蒸気タービンセット(ISO 10816-2 の対象外の回転速度)
  • 回転圧縮機
  • 3 MW 以下の産業用ガスタービン
  • 発電機
  • あらゆる形式の電動機
  • ブロワおよびファン

ファンについては、この基準は一般に 300 kW を超えるもの、または柔軟支持されていないものにしか適していません。それ以外のファン、例えば軽量な板金構造のファンでは、過去の運転経験に基づいて供給者と購入者が合意した限界値が必要です。

ファンのバランスと振動に関する要求事項: ISO 14694

対象外の機械

ISO 10816-3:2009 は次の機械には適用されません:

  • 陸上に設置された 50 MW 超の大形蒸気タービン発電機セットで、回転速度が 1,500、1,800、3,000 または 3,600 r/min のもの(ISO 10816-2)
  • 定格出力 3 MW 超のガスタービンセット(ISO 10816-4)
  • 発電所およびポンプ場の水力機械セット(ISO 10816-5)
  • 往復動機械に連結された機械(ISO 10816-6)
  • 羽根車が電動機軸に直接取り付けられた、または剛に固定されたものを含むターボポンプ(ISO 10816-7)
  • スクリュー圧縮機などの容積形回転圧縮機
  • ピストン式(往復動)の圧縮機およびポンプ
  • 水中モータポンプ
  • 風力タービン

対象となるのは機械自体から発生する振動だけで、外部から伝わる振動は含みません。歯車装置や転がり軸受をもつ機械も対象ですが、それらの歯車や軸受の状態評価はこの規格の範囲外です。測定が連続か定期的かにかかわらず、受入試験と運転監視には同じ基準を用います。

🔧

出力範囲

15 kW を超える機械。電気機械では軸高さによってグループが決まり、それより小さい機械はこの部の対象外です。

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回転速度範囲

公称運転回転速度 120~15,000 r/min。測定はこの範囲内の定常運転時に行います。

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測定位置

軸受、軸受台または軸受箱: 局部共振がなく軸受箱の振動を反映する、露出していて通常は手の届く箇所。軸受箱に手が届かない場合は、できるだけその近くで測定します。

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測定量

主な測定量は広帯域振動速度の実効値(mm/s)で、低周波成分が予想される場合は振動変位(µm)を加えます。周波数帯域は 10~1000 Hz(600 r/min 未満では 2~1000 Hz)で、測定器は ISO 2954 に適合している必要があります。

実効値とは: 振動速度の実効値

機械の分類: 2 つのグループと 2 つの支持区分

ISO 10816-3 は、機械の種類、定格出力または軸高さ、支持の柔軟性によって機械を分類します。機械グループは 2 つあり、どちらのグループの機械も、軸は水平・垂直・傾斜のいずれでもよく、剛性支持と柔軟支持のどちらで据え付けてもかまいません。

グループ 定格出力 電気機械 一般的な構造 限界値
1300 kW 超(表 A.1 は 50 MW までを対象)軸高さ H ≥ 315 mm通常はすべり軸受、回転速度は 120~15,000 r/min の全範囲表 A.1
2 ★15 kW 超 300 kW 以下軸高さ 160 mm ≤ H < 315 mm通常は転がり軸受、回転速度は 600 r/min 超表 A.2

軸高さ H は ISO 496 で、出荷状態の機械で測った、軸中心線から機械自体の取付け面までの距離と定義されています。脚のない機械、かさ上げした脚をもつ機械、立形の機械では、同じフレームの横軸・脚取付け形の機械の軸高さを用います。フレームが不明な場合は、機械の直径の半分とします。

支持区分の判定方法

支持区分は動的な特性であり、基礎の材料や質量で決まるものではありません。ある測定方向で、機械と支持を合わせた系の 1 次固有振動数が主な励振振動数(多くの場合は回転周波数)より 25% 以上高ければ、その方向の支持は剛性とみなされます。それ以外の場合はすべて柔軟とみなされます。

同じ据付けでも、ある方向では剛性、別の方向では柔軟となることがあります。防振ゴムや防振ばね、コンクリート台、鋼製フレームといった構成だけでは分類は決まりません。実測または計算による固有振動数と、該当する運転時の励振振動数を用いて判定してください。

典型例: 大形・中形の電動機、特に低速のものは通常剛性支持に据え付けられ、10 MW を超えるタービン発電機や圧縮機、および立形の機械セットは通常柔軟支持です。

💡 実務のヒント

図面や計算で判断がつかない場合、規格は試験によって支持区分を求めることを認めています。実務では、最も低い固有振動数を明らかにするために、打撃試験や、昇速時または惰行停止時の測定がよく行われます。

基礎知識: 固有振動数

実務への適用に関する指針

新品または修理後の機械の受入試験にも、稼働中の機械の監視にも同じ基準を用います。違うのは結果の使い方です。

新品・修理後の機器の受入試験

ゾーン境界値は指針であり、そのまま使える受入仕様ではありません。受入値は機械の供給者と購入者の間で取り決めます。境界値を目安にすると、明らかな欠陥も非現実的な要求も排除しやすくなります。機械によっては、より高い、またはより低い別の限界値が妥当な場合もあります。その場合、製造者は理由を示し、より大きな振動を認めるときは、それが機械を危険にさらさないことを示す必要があります。

稼働中の機器の運転監視

運転中は 2 つの点を確認します。現在の振動の大きさがどのゾーンに入るか(評価基準 I)と、著しい変化が生じていないか(評価基準 II)です。ゾーン A と B では長期運転について懸念する理由はなく、ゾーン C では次の適切な機会に改善処置が必要です。ゾーン D は、振動が機械に損傷を与えるほど厳しいことを意味します。ゾーンは振動の厳しさを示すものであり、原因を特定するものではありません。

評価基準 II では、測定値を、以前に同じセンサー位置・方向で、ほぼ同じ運転条件のもとで確立した基準値と比較します。増加か減少かを問わず、ゾーン B の上限値の 25% を超える変化は著しい変化とみなされ、急激に生じた場合はなおさらです。ゾーン C に達していなくても、診断のための調査を始めるべきです。25% という値は目安であり、個々の機械での経験に基づいて別の値とすることもできます。

例: 剛性支持のグループ 2 の機械では、ゾーン B の上限値が 2.8 mm/s なので、0.7 mm/s を超える変化は著しい変化です。長年 1.0 mm/s で運転してきた電動機が現在 2.2 mm/s を示している場合、まだゾーン B 内ですが、1.2 mm/s の上昇はすでに点検が必要なレベルです。

測定手順

測定は通常、各軸受キャップまたは軸受台で、互いに直交する半径方向の 2 方向について行います。横形機械では、通常は垂直方向と水平方向です。立形または傾斜した機械では、2 方向のうち一方を測定値が最大となる方向(一般に弾性軸の方向)にしなければなりません。センサーは軸受箱の周囲の任意の角度に取り付けることができ、使用した位置と方向は記録しなければなりません。

評価では、各測定面で 2 つの測定値のうち大きい方をとり、ゾーン境界値と比較します。1 つの測定面にセンサーを 1 個だけ使ってよいのは、それで振動の大きさを十分に捉えられるとわかっている場合に限られます。センサーが最大値の方向を向いていない可能性があるためです。

ラジアル荷重を受ける軸受では、通常、軸方向の振動は監視しません。一部の異常はこの方向により明確に現れるため、軸方向の振動は主に定期点検や診断のために測定されます。ゾーン境界値が軸方向の測定値に適用されるのは、スラスト軸受の場合だけです。

測定は、ロータと主軸受が通常の定常運転温度に達し、機械が定格回転速度・負荷、電圧、流量、圧力などの規定の条件で運転されている状態で行います。運転中に回転速度や負荷が変化する場合は、機械が長時間運転されるすべての条件で測定し、最も高い値を用います。

測定値が受入値を超え、暗振動の影響が疑われる場合は、機械を停止した状態で測定を繰り返します。停止時の振動が運転時の値の 25% を超える場合は、外部からの影響を低減するか、例えばスペクトル分析によって分離する必要が生じることがあります。

測定器は ISO 2954 に適合し、少なくとも 10~1000 Hz の範囲で平坦な周波数特性をもつ広帯域の実効値を測定できるものとします。約 600 r/min 以下の機械では、下限を 2 Hz まで広げます。センサーは取付け方によって測定値がゆがまないように取り付け、温度変化、磁界や音場、電源変動、ケーブル長、センサーの向きに注意してください。

ISO 10816-3 の規定ではなく現場での実務: 方向ごとの測定値を比べると、診断時に考えられる原因を絞り込みやすくなります。

方向 略号 検出される主な異常
水平(軸に垂直) H アンバランス、ゆるみ、軸受の摩耗
垂直 V アンバランス、構造共振
軸方向(軸に平行) A ミスアライメント、軸の曲がり、スラスト軸受の不具合
⚠️ 重要な制約

ISO 10816-3 は、個々の周波数成分や位相を見ずに広帯域振動を評価します。受入試験や日常の監視には通常これで十分ですが、わかるのは何かが変化したことであって、その原因ではありません。個々の成分の振幅と位相は長期的な状態監視や診断に役立ちますが、それらの基準はこの規格の範囲外です。

原因の特定: 周波数スペクトル分析

実践例

ISO 10816-3 のゾーン基準による段階的な評価の例です。

例 1: 75 kW 電動機の評価

機械: 電動機、75 kW、軸高さ 280 mm

支持: コンクリート基礎。測定方向の最も低い固有振動数が回転周波数の 1.25 倍を大きく上回るため、剛性支持と判定

分類: グループ 2(160 mm ≤ H < 315 mm の電気機械)、剛性支持

測定した振動: 駆動側軸受箱の水平方向で実効値 3.5 mm/s(半径方向 2 方向の測定値のうち大きい方)

グループ 2 の境界値: A/B = 1.4 mm/s · B/C = 2.8 mm/s · C/D = 4.5 mm/s

結果: ゾーン C
3.5 mm/s は B/C 境界値(2.8)と C/D 境界値(4.5)の間にあります。このレベルのまま電動機を長期間連続運転すべきではありませんが、通常は改善処置を計画する間、限られた期間であれば運転を続けられます。スペクトル分析で確認すべき代表的な原因は、アンバランス、ミスアライメント、軸受の初期摩耗です。
例 2: ばね防振装置上の 500 kW ファンの試運転

機械: 駆動出力 500 kW の遠心ファン、1480 r/min。300 kW を超えるため、この部の基準をファンに適用

支持: ばね防振装置上の鋼製フレーム。測定方向の最も低い固有振動数が回転周波数の 1.25 倍未満のため、柔軟支持と判定

分類: グループ 1(300 kW 超)、柔軟支持

測定した振動: 駆動側軸受で実効値 2.0 mm/s(半径方向 2 方向の測定値のうち大きい方)

グループ 1・柔軟支持の境界値: A/B = 3.5 mm/s · B/C = 7.1 mm/s · C/D = 11.0 mm/s

結果: ゾーン A
2.0 mm/s は A/B 境界値の 3.5 mm/s を下回っており、新しく設置された機械に典型的なレベルです。ただし、ファンが受入試験に合格するかどうかは、供給者と顧客の間で合意した値によって決まります。
例 3: 防振ゴム上の 45 kW 電動機のトレンド監視

機械: 電動機、45 kW、軸高さ 225 mm

支持: 防振ゴム。測定方向の最も低い固有振動数が回転周波数の 1.25 倍未満のため、柔軟支持と判定

分類: グループ 2、柔軟支持

ベースラインの振動: 実効値 3.0 mm/s(6 か月前に確定)

現在の振動: 実効値 6.8 mm/s

グループ 2・柔軟支持の境界値: A/B = 2.3 mm/s · B/C = 4.5 mm/s · C/D = 7.1 mm/s

結果: ゾーン C、著しい変化あり
6.8 mm/s は 4.5~7.1 mm/s の範囲にあるため、振動の大きさはゾーン C です。3.8 mm/s の上昇は目安の 1.125 mm/s(B/C 境界値 4.5 mm/s の 25%)を大きく上回っているため、評価基準 II からも診断のための調査が必要です。ベースラインが 3.0 mm/s なので、推奨警報値は 4.125 mm/s だったことになります。

重要な考え方とベストプラクティス

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契約ではなく指針

ゾーン境界値は参考値です。受入限界値は供給者と顧客の合意で決まり、警報値と停止値の設定は機械のベースラインと設計に基づいて決まります。

🏗️

支持区分が結果を左右する

同じ測定値でも、グループ 1 とグループ 2、剛性支持と柔軟支持とで異なるゾーンに入ることがあります。表を読む前に、機械グループと方向ごとの支持区分を判定してください。

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変化に注目

2.5 mm/s で安定して運転している機械は、1.0 mm/s から 2.5 mm/s に急上昇した機械ほど心配はいりません。剛性支持のグループ 2 では、0.7 mm/s を超える変化はすべて評価基準 II で著しい変化とみなされます。

🔍

診断ではなくスクリーニング

この規格は広帯域のオーバーオール振動を評価します。問題があることはわかりますが、それが何かまではわかりません。根本原因を突き止めるには、振動アナライザーによるスペクトル分析、時間波形分析、位相測定を行ってください。

運転上の制限値: 警報値と停止値

ISO 10816-3 は、長期運転のための運転上の制限値として 2 種類を示しています。警報値は、振動が設定値に達したこと、または著しく変化したことを警告するもので、通常は原因を調査する間も運転を続けられます。停止値は、それを超えて運転を続けると機械が損傷するおそれのあるレベルを示し、超えた場合は直ちに振動を低減するか、機械を停止すべきです。制限値は測定位置や方向によって異なってもかまいません。

警報値の設定

警報値は、その機械のその測定位置・方向における定常運転状態のベースラインを基に設定し、ベースラインにゾーン B の上限値の 25% を加えた値とします。警報値は通常、この上限値の 125% 以下とし、ベースラインが低い場合はゾーン C より低くなることもあります。ベースラインのない新しい機械では、類似機械での経験や合意した受入値から始め、安定したベースラインが得られた時点で設定を調整します。オーバーホール後などベースラインが変化した場合も、その都度調整します。

停止値の設定

停止値は機械的健全性と機械の設計に依存するため、通常は同様の設計の機械では同じ値となり、ベースラインとは関係しません。規格は停止値の具体的な数値を示していません。停止値は通常ゾーン C または D の範囲にあり、ゾーン C の上限値の 125% を超えないようにします。

設定値の上限(振動速度の実効値、mm/s)

振動速度の境界値から算出: B/C 境界値の 25% と 125%、C/D 境界値の 125%

機械グループ 著しい変化 警報値の上限 停止値の上限
グループ 1 — 剛性支持 1.125 5.625 8.875
グループ 2 — 剛性支持 ★ 0.700 3.500 5.625
グループ 1 — 柔軟支持 1.775 8.875 13.750
グループ 2 — 柔軟支持 1.125 5.625 8.875

例: ベースラインが 1.2 mm/s の剛性支持のグループ 2 の機械では、警報値は 1.2 + 0.7 = 1.9 mm/s となり、上限の 3.5 mm/s を十分に下回ります。停止値は 5.625 mm/s 以下とします。

基準値の設定: 振動のベースライン

他の規格との関係

ISO 10816-3 は、一般的指針については ISO 10816-1、振動の厳しさを測定する測定器の要求事項については ISO 2954、軸高さについては ISO 496 に依拠しています。ここで対象外となる機械は、シリーズの他の部、すなわち ISO 10816-2(陸上発電所の大形蒸気タービンおよび発電機)、ISO 10816-4(ガスタービンセット)、ISO 10816-5(水力発電所およびポンプ場)、ISO 10816-6(往復動機械)、ISO 10816-7(ターボポンプ)で扱われます。

軸受箱での評価基準は、ISO 7919-3 に従って測定した軸振動で補うことができます。軸受箱の振動と軸振動の間には単純な換算関係がないため、両者はそれぞれ独立に測定する必要があります。2 つの基準で評価が異なる場合は、より厳しい方を適用します。ISO はその後 2009 年版を廃止しており、その改訂版は ISO 20816-3:2022 です。

関連ページ: ISO 7919-1 · ISO 20816-3

よくある質問

中形電動機のゾーン境界値はいくつですか?

軸高さ 160 mm 以上 315 mm 未満の電気機械はグループ 2 に属します。剛性支持での A/B、B/C、C/D 境界値は実効値でそれぞれ 1.4、2.8、4.5 mm/s(22、45、71 µm)、柔軟支持では 2.3、4.5、7.1 mm/s(37、71、113 µm)です。

剛性基礎と柔軟基礎の違いは何ですか?

この区別は動的な特性に基づくもので、測定方向ごとに個別に行います。機械と支持を合わせた系の最も低い固有振動数が主な励振振動数より 25% 以上高い場合は剛性支持、それ以外の場合はすべて柔軟支持です。基礎の材料や防振装置の有無だけでは決まりません。

ISO 10816-3 は新しい規格に置き換えられましたか?

ISO は ISO 10816-3:2009 を廃止済みとしており、その改訂版は ISO 20816-3:2022 です。このページでは 2009 年版について説明しています。

15 kW 未満の機械にもこの規格を使えますか?

いいえ。ISO 10816-3 の対象は 15 kW を超える機械であり、それより小さい機械は適用範囲外です。そうした機械については、製造者の限界値やその他の適用可能な基準に従い、据付け後に記録したベースラインに対する変化を追跡してください。

ISO 10816-3:2009 はポンプに適用されますか?

いいえ。2009 年版ではポンプが適用範囲から除外されました。電動機一体形を含むターボポンプは ISO 10816-7 で扱われ、往復ポンプと水中モータポンプは対象外です。

警報値と停止値はどのように設定すべきですか?

警報値は、定常運転状態のベースラインにゾーン B の上限値の 25% を加えた値とし、通常はその上限値の 125% を超えないようにします。停止値は機械の設計によって決まり、通常はゾーン C または D の範囲にあり、ゾーン C の上限値の 125% 以下とします。

軸方向の振動は測定すべきですか?

日常的には測定しません。評価は各軸受の半径方向 2 方向の測定値に基づきます。軸方向の測定値は主に定期点検や診断に使われ、ゾーン境界値が適用されるのはスラスト軸受での測定値だけです。

公式の ISO 規格

このページで解説している文書のカタログ情報: iso.org の ISO 10816-3:2009

このページは、教育目的で独自の言葉でまとめた独立した要約です。規格の本文を転載したものではありません。規定の要求事項については公式文書を参照してください。

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カテゴリー 用語集ISO規格

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